特殊な車両とは
車両の構造が特殊である車両、あるいは輸送する貨物が特 殊な車両で、幅、長さ、高さおよび総重量のいずれかの一般 的制限値を超えたり、橋、高架の道路、トンネル等で総重量、 高さのいずれかの制限値を超える車両を「特殊な車両」とい い、道路を通行するには特殊車両通行許可が必要になります。
構造が特殊な車両
車両の構造が特殊なため、一般的制限値のいずれかが超え る車両で代表的な車種としては、トラッククレーン等自走式 建設機械、トレーラ連結車の特例 5 車種(バン型、タンク型、 幌枠型、コンテナ用、自動車運搬用)のほか、あおり型、ス タンション型、船底型の追加 3 車種等があります。特例 5 車種と追加 3 車種を合わせて、特例 8 車種といいます。
構造が特殊な車両の例
■単車
○トラッククレーン
車検証に記載された重量で走行 しなければなりません。 ※車両によっては一次分解が 必要になる場合があります。
■特例5車種
①バン型セミトレーラ
②タンク型セミトレーラ
③幌枠型セミトレーラ
④コンテナ用セミトレーラ
⑤自動車運搬用セミトレーラ
◎フルトレーラ
※フルトレーラ連結車については、トラックおよびトレーラの双方が同一の種類の車両である必要はなく、それぞれが1)~5)に該当すればよい。
■追加3車種
貨物の落下を防止するために十分な強度のあおりなどや固縛装置を有していなければいけません。
①あおり型セミトレーラ
②スタンション型セミトレーラ
③船底型セミトレーラ タイプⅠ
③船底型セミトレーラ タイプⅡ
(イラスト出典:特殊車両通行ハンドブック2019)
総重量の特例(車両の通行の許可の手続き定める省令第1条の2) |
高速自動車国道 25t〜36t(最遠軸距による) 首都高速道路、阪神高速道路、その他の都市高速道路および本州四国連絡橋道路は含まれません。 |
重さ指定道路 25t〜27t |
その他の道路 24t〜27t |
長さについて
セミトレーラ、フルトレーラ連結車について、高速自動車国道を通行する場合(車両制限令第3条3項) |
セミトレーラ連結車 16.5m |
フルトレーラ連結車 18m |
注)この特例は積載貨物が、被けん引車の車体の前方または後方にはみ出していないものの長さです。
■ 貨物が特殊な車両
分割不可能なため、一般的制限値のいずれかを超える建設 機械、大型発電機、電車の車体、電柱等の貨物をいいます。
①海上コンテナ用セミトレーラ
②重量物運搬用セミトレーラ
③ポールトレーラ
新規格車制限値(最高限度)
車両の諸元 | 新規格車制限値(最高限度) |
---|---|
幅 | 2.5メートル |
長さ | 12.0メートル |
高さ | 3.8メートル |
総重量 | 車両の長さ最遠軸距車両総重量単車9~11m5.5m~7m22t11~12m7m以上25t連結車12m以下8~9m24~25t12m以下9~10m25.5~26t |
軸重 | 10.0トン |
隣接軸重 | 隣り合う車軸の軸距が1.8メートル未満18.0トン (ただし、隣り合う車軸の軸距が1.3メートル以上、かつ 隣り合う車軸の軸重がいずれも9.5トン以下のときは19トン) 隣り合う車軸の軸距が1.8メートル以上20.0トン |
輪荷重 | 5.0トン |
最小回転半径 | 12.0メートル |
高速自動車国道及び、道路管理者が道路構造の保全、交通の危険防止支障がないと認めて指定した道路(指定道路)を自由に走行でき、下記の条件を満たす車両のことをいいます。
ただし、総重量が20t以上の車両が高速自動車国道、指定道路以外の道路を走行する場合は、特殊車両通行許可書が必要になります。
通行許可の期間
通行が許可される期間は、当該車両を用いて行う事業区分によって異なります。
事業区分等 | 通行期間 | 具体例 |
---|---|---|
旅客自動車運送事業の用に供する車両で路線を定めている車両 | 2年 | 連節バスを用いた路線バス |
自動車運送事業用車両で路線を定めていない車両 | 2年以内 但し、一定の寸法または重量を超える車両は1年以内 |
実運送を行う運送会社の単車やトレーラー連結車など |
第二種利用運送事業用車両 | ↑ | 第二種利用運送業者が使用する、単車やトレーラー連結車 |
自動車運送事業用車両および第二種利用運送事業用車両以外の車両で通行経路が一定し、これらの経路を反復継続して通行する車両 | ↑ | 車庫と現場の間を反復して自走するクレーン車など |
その他の車両 | 必要日数、但し1年以内 | 低床トレーラーによる重機や重量物輸送など |
通行許可の条件
通行許可はA~Dまでの四つの区分があり、通行にあたって条件が付けられる事がある。条件は車両の重量又は大きさによって異なります。
区分記号 | 重量についての条件 | 寸法についての条件 |
---|---|---|
A | 条件なし | 条件なし |
B | 徐行及び連行の禁止 | 徐行 |
C | 徐行、連行禁止、前後に誘導車を配置 | 徐行、前後に誘導車を配置 |
D | 徐行、連行禁止、前後に誘導車を配置し、 2車線以内に他車(対向車、並走車)がいないように通行する |
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特車ゴールドとは
特車ゴールドとは、業務支援用ETC2.0車載器を装着した特車向けのものとして、国土交通省が平成28年1月25日13:00から開始したサービスです。特車の許可更新が簡素化される他、経路選択の自由度が上がっています。
基本的に特車申請においては、1経路1申請となっています。つまり発着地が同じであってもトラックが複数の経路を走る可能性がある場合は、各経路ごとに別個に申請を行う必要がありました。国土交通省が平成25年に許可を行ったセミトレーラ連結車の特車申請では、発着地が同一で複数の経路申請が行われたものが全体の8割以上になり、平均して9経路の申請があったといいます。
特車ゴールドを利用すると一つの申請で大型車誘導区間の経路選択が可能となるので、渋滞や交通規制における経路選択の自由度が高まる他、経路毎の複数申請も不要となります。また許可の更新も自動化されており、更新申請メールが自動送信され、指示に従ってワンクリックするだけで特車申請の更新が行われます。但し経路違反や重量違反があった場合には自動更新はできないです。
道路法に基づく車両制限
一般的制限値
車両の幅、長さ、高さ
車両の最小回転半径
車両の総重量、軸重、隣接軸重および輪荷重
(イラスト出典:特殊車両通行ハンドブック2019)
申請書類はこれだけ必要です
1 特車通行許可申請書(申請台数+2部)
2 最新の電子申請書作成システムで作成される書類すべて (申請台数+2部)
- 車両内訳書 ※ 包括申請の場合
- 車両諸元に関する説明書
- 通行経路表
3 自動車車検証の写し(2部)
4 通行経路図(2部)
- 全体図
- 出発地及び目的地付近の地図
5 インターネットの「特殊車両システム」ページより「算定機能」を利用して作成した「詳細帳票」(2部)
6 データの入ったCD-R
電子申請作成システムで作成したデータをCD-Rに保存し、持参してください。
以下(7~10)は、該当する場合に提出する必要があります。
7 軌跡図(すべての申請車両について各2部)※
超寸法車両の場合は、必ず添付します。
8 新規開発車両設計製作基準適合証明書の写し(2部)※
新規開発車両の場合は添付します。
9 積載図、外観図(2部)※
あおり型、スタンション型、船底型、その他のセミトレーラーの場合、積載物にはみ出しがある場合は、積載方法等がわかる図又は写真を添付します。
10 その他申請に応じて必要な書類 ※
通行計画書、事前管理者協議書、車両構造説明書等
行政庁への必要手数料
特殊車両通行許可申請をするにあたって、当事務所のサービス料金とは別途に、行政機関に支払わなければならない必要手数料があります。
手数料が必要になってくる場合は、車両の通行経路が2つ以上の道路管理者にまたがるとき(国道と県道を通る場合等)です。
1つの県道しか通らない場合には手数料は必要ありません。
手数料は1経路につき200円となります。1経路=片道なので、往復の場合2経路となり、手数料は400円となります。
手数料の計算方法は、
(申請車両台数)×(申請経路数)×200円で求める事が出来ます。
例えば、申請台数が5台のときは、
5台×10経路×200=10,000円となります。
※申請車両台数は、トラックまたはトラクタの申請台数になります。
※新規格車の通行許可申請の場合の手数料
新規格車の通行許可申請の場合は、高速道路及び重さ指定道路を除いた区間で、道路管理者が2つ以上にまたがる時、手数料が必要となります。