2020年は民間工事が大幅に減少、新型コロナの影響

業界事情

2018年度の受注額は、過去10年で最大の伸びを記録した民間工事が寄与し、前年度比で1割近い伸びを見せたが、2019年度の受注額は不動産プチバブルや五輪特需に沸いた近年の建設市況が一巡したことに加え、新型コロナウイルスの影響などにより、減少に転じる結果となった。

2020年度に入り、新型コロナの感染拡大が本格化し、4月には政府から緊急事態宣言が発出され、5月に宣言が解除されるまでの期間、一部ゼネコンにおいて工事を中断するなどの動きがみられたほか、工事計画の延期や見直しなど受注にも影響が及ぶ結果となった。

新型コロナの影響で民間工事が大幅に減少

官公庁工事堅調に推移したものの、新型コロナの影響に伴い設備投資姿勢が慎重となり、民間工事において、工事計画の延期や見直しなどが相次いだとされる。

また、緊急事態宣言下において発注者側も受注者側も外出自粛やテレワークの増加などにより営業活動が制約されたことなども一因とみられる。

リーマン・ショック後売上総利益率6%程度だったことからみれば、引き続き採算重視の選別受注やコスト削減など企業努力により利幅は何とか高水準を維持しているとはいえ、全体として、利益水準の上昇傾向鈍化し、横ばいを維持するのが精一杯の状況に近づいている。

新型コロナによる相次ぐ工事計画の延期や見直しなどにより、企業規模を問わず受注競争は激化し、受注単価の下落から利幅が縮小しており、今年度通期では低下に転じる可能性がある。

まずは新型コロナの感染状況次第

「ポスト2020」として、2025年開催予定大阪万博や今後、候補地が選定されるとみられるIR(統合型リゾート)など目玉となる大型案件が控えるほか、首都圏において、引き続き再開発の大型案件に加え、新型コロナで先送りされていた工事の発注など、総じて堅調な推移が見込まれる。

しかし、こうした案件も新型コロナの収束次第といえ、今後も民間工事の受注が低調に推移することになれば、首都圏やそれ以外の地域でも、スーパーゼネコンから中堅以下まで企業規模を問わず、受注競争がさらに激しさを増していき、業績の好・不調の二極化が進んでいくことが予想される。

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