ヒヤリハット報告書

業界事情

重大な事故は300のヒヤリハット

多くの作業員、建材、機械が混在する建設現場は常に身の危険と隣合わせです。建設現場で作業をしていると、幸い重大な事故にはならなかったものの、「ヒヤリ」「ハッとした」という経験が多くあるのではないでしょうか。

ヒヤリハット報告書

律上の提出義務や保管義務はありませんが、現場単位で一定期間、もしくは全国安全週間の期間に提出が求められることが多いです。現場や元請企業、所属企業によって書式は異なりますが、「ヒヤリハット事例」とその対応策を記入することが目的なので、下記の項目を抑えておくとよいでしょう。

・いつ
・作業内容
・どこで
・何をしたときに
・どうなったか、もしくはどうなりそうだったか
・原因
・対応策

「いつ、どこで、なにをしたとき」

「ヒヤリハット」が発生した日付はもちろん可能な限り時間も詳細に記入しましょう。例えば、12月の午後4時頃でしたら、冬場で日が落ちるのも早く足元が見えづらかったのでは?などの検証や分析に役立ちます。

作業内容は簡潔に記入して問題ありませんが、「どこで、なにをしたとき」は単純に「荷降ろし」「清掃中」と記入するより、下記のように詳しく説明することで状況を伝えやすくなります。

例)
トラックから鉄板の荷降ろし中
作業台をホースで清掃中
脚立でボルトを締めているとき など

「どうなったか」は克明に

どのようなシチュエーションでどんな「ヒヤリハット」があったかを記入しましょう。重大な労働災害の未然防止が目的となりますので、些細な「ヒヤリハット」でもしっかりと記録しておくことが重要です。

問題や原因、自身の状況について

作業方法や手順、機材や設備、環境など発生状況を分かる範囲で記入しましょう。

自身の不注意による不安全行動なのか、機材のトラブルや環境状態による不安全状態だったのか、手順に間違いはなかったのかをしっかりと客観的な記録することで状況がクリアになります。

起きたかもしれないさらなる深刻な事態

幸いにもヒヤリで終わりましたが、最悪の場合はどうなっていたでしょうか?あらゆる可能性を想定することで、潜在リスクを洗い出すことができます。

例えば、「脚立がぐらつき転倒しそうになった」というリスクに対して、その状況下で「もし荷物を持っていたら」「もし周りに人がいたら」で、リスクが異なります。実際に起きた発生状況以外の想定も行うようにしましょう。

提案・要望について

どのように対処することで安全度が高まるかを記入しましょう。また「照明が暗い」「足場が不安定」などの機器や設備、環境が原因と考えられる場合は、不安全状態になりますので、「提案・要望」の項目に記入し、現場の環境改善に反映させましょう。

「ヒヤリハット」を客観的に振り返りながらあらゆる可能性を考える癖をつけることで、労働災害への感受性を高めてくれます。自身が体験した「ヒヤリハット」を報告することが、今後の重大な労働災害を防ぐ尊い行為であることを意識してください。

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