さまざまな職種の職人が工事の減少で余ってくる
飲食店やホテル、サービス業を襲ったコロナショックだが、その影響が各方面におよび始めた。当初は建設業界への影響は限定的と捉え、時差出勤など感染症対策をする程度に考えていた経営者も、その考えを改めなければならなくなった。大きなきっかけは、清水建設のコロナウイルスによる従業員の死亡と、それにともなう全国の約500カ所の現場ストップだ。さらに大林組や鹿島にも現場ストップの方針があり、地場ゼネコンのなかにも現場を止めるところが出てきた。
ある社労士は「清水建設の報道がなされてから、急激に建設関係の雇用調整助成金に対する相談が増えた」という。実際に現場で働く職人からも「清水建設の件は話題になった。着工延期なども出てきており、すでに軽天工事は人が余ってきている」「今後は軽天工事のみならず、さまざまな職種の職人が工事の減少で余ってくる」との声が聞かれている。
工事の減少は、材料業者など建設に関連するさまざまな業種にも影響が波及する。申請書類が多く、複雑で評判の悪い雇用調整助成金だが、今後はさらに多くの企業が活用を考えるだろう。だが社労士の負担と責任が大きく、自分で申請するには難しい現行のものでは機能不全を起こすだけだ。コロナショック対策として早急な改善が求められている。